2003.10.30 栃木県 残響ささやきの冷気、太古の香り。

栃木県
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パフォーマーモードから観光客モードに切り替わった山田 氏が戻ってきたので、”道具”について聞いてみた。

「その缶‥ですけど、中にピンポン玉が付いていて面白いですね。」
「道路を空きカン引きずりながらガラガラ歩くアイディアがあって、作ったものなんですよ。名古屋のライブで使ったんだけど、残響の感じが良くて‥」

「ここで使おうと思って持ってきたんですか。」
「今回「残響のある空間」というキーワードを聞いていたんで、もしかしたら使えるかなぁと思ってカバンに忍ばせてきました。」

「じゃ、ここに入ってから使おうって決めたんですね。」
「坑内に入ったら、もう、これは使わないといけないな、って感じで。幸い、人もいなかったし。」

「ここの空間は音表現の場として魅力的ですよね。」
「うん、最高だと思う。」

「山田さんだったら、どんなことしたいですか? まぁ先ほどまで”お仕事”されてましたが‥(笑)」
「予定していたことじゃなかったけどね。」

「きちんと計画できるとして、何をやりたいかと‥」
「まず、入るとBGMが流れていますよね、癒しの環境音楽がエンドレスで流れている。まぁ、圧迫感を防ぐ意味で十分機能してるし、いいと思うんです。でも、僕だったら音楽ではなくて自然の、例えば天井から水が流れて落ちてくるとか‥そういう自然音を取り込んで、自分の音を重ねていきたいなぁと。」

「それも”音楽”じゃないんですね?」
「えぇ。あと、今日は快晴ですけど、例えば、どしゃ降りの日だと当然、その雨音がこの空間に影響するはずなんです。奥の方に穴がありますよね、外の光が入ってきてるから。」

「天気によって音環境が変化するわけですか。」
「そう、全部受け入れるというか‥。雷なんか鳴ったりすると、面白い。」

「つまり、演奏者主導じゃなくて、環境主導という感じですね。」
「まっ、音を”作りたくない”というか‥その場にある音を受け入れるってことです。」

「今、団体さんがやってきましたけど、ああいう状態もOKだと?」
「たくさんの人が喋ってるけど、それがこの空間で融合しちゃってる、持続音として成り立っている。」

「たしかにガヤガヤという感じではないですね。」
「やっぱり、この場の強い残響がいい効果を作っているんですよ。」

「一人ひとりは、大したこと喋っていないけど厳かな感じ。」
「重々しいよね、ちょっと怖いけど。全員にロウソクでも持たせたい‥(笑)」

山田 氏は、この場所でもっと実験したかったようだ。
団体客が増えてきたので、地上へ。体もずいぶん冷えてしまった。

階段を上って、資料館展示室へ入る。
ここでおこなわれた結婚式の写真が飾られていた。
そう、この巨大地下空間を貸し切って結婚式もできるのだ。(下の一番右側の写真)

[資料館入り口には開催された演奏会や美術展、パフォーマンスなどの資料が置かれている]

[資料館の常設展示]


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