9時15分、ホテルの駐車場を出て、左折、競輪場通りを直進。
正面の東北新幹線通過を見ながら、白沢街道を右折、JR宇都宮駅へ。駅に到着、右折して駅前大通りを直進、そのまま大谷街道になる。とにかく宇都宮駅からまっすぐ走ればいいのだ。
東北自動車道をくぐり、さらに直進。左手に足利銀行が見えたら、右手にガソリンスタンドがある。すると大谷交差点になるので、右折する。もう数分で到着だ。
細い道を軽快に走る。しかし、なかなか着かない。まわりの景色に注意をはらう。それらしい看板がない。どんどん進むが現れない。しかたないので、転回して元の道にもどる。細い道なのに観光バスが停まっていた。勘を働かせて、バスの後についた。しばらく走ると、大谷資料館の看板が見えた。とりあえず、ホッとする。
何度か右往左往しながら、やっと入り口を発見。
10時、目的地「大谷資料館」に到着。名前は資料館だが、これから入るのは”石”の中だ。大きな石をくり抜いた空間なのだ。その広さは、東京ドーム1つ分を超える。広大な地下空間なのである。今日前半の舞台はここだ。
車を停め、「やっと着きましたね」的な言葉を2、3やり取りし、プチ感動モードに移行する準備をおこなう。
駐車場は、大きな岩壁に囲まれていて、とても静かである。日射しが眩しい、汗ばむくらい。
山田 氏にMDとピンマイクを付けてもらう。いよいよ本番だ。
「なんか、よさそうな所だね。」
氏はもう感じているようだった‥残響の世界が待っていることを。
大谷資料館に入る。入館料は、600円。

[ついにやってきた広大な地下空間、大谷資料館 採掘跡]
▼
坑内へ進む。ひんやりする。そう、気温がぐっと下がるのだ。年間の平均気温は7度くらい。上着がないと寒い。
「停電のときは」と書かれた板が置いてあった。度々、停電するのだろうか。
「いいねぇ」
山田 氏はすでにスイッチが入ったようだ。
どんどん階段をおりる。ほんとに寒くなってきた。
山田 氏が手を叩く。
「パン!パーン」と響く。
さらに叩く。
パン、パン、パーン!!
氏は、笑みを浮かべながら「いいねぇ」と繰り返す。
もはや(昨日の夜)英国風高級バーで静かに飲んでいた謙虚な氏ではない。
私はあまり話しかけないように注意した。

[完全にスイッチが入った山田 氏は何かを企んでいた]
▼
パン、パン、パーン!!
手を叩いた音が反射を繰り返し、スケール感のある反射音になる。これを「フラッターエコー」と言う。
フラッターエコーの代表例として、日光東照宮の「泣き竜」などが有名。ここで音ライブをやったら最高だと思う。
コンサートホールなどは、「残響」がとても重要。だから、残響時間が巧みに調節されている。クラシック音楽なら残響時間が長い方がいい、講演会などの場合は残響時間を短くした方が聞きやすい。最先端技術を導入した多目的ホールなどは、この残響時間を調整できるのだから凄い。
音を吸収してしまう吸音壁は、反射しないから残響ゼロ。
コンクリート打ちっぱなしだと、音がよく反射するので残響が続く。
今回は、音の反射、すなわち”残響”がコンセプト。まわりは全て石だ。絶好の場所なのである。
山田 氏がカバンの中から何か取りだした。
木の棒である。
何かを試そうとしている。
その時!
広大な地下空間が目に飛び込んできた!
「おぉ〜っ」
思わず驚嘆してしまう。
映画「TOMB RAIDER」の古代秘宝の遺跡に入っていくシーンを彷彿させる。
ここは、石をくり抜いて出来上がった空間。我々は、石の中に居るわけだ。

[東京ドーム1つ分の広大な地下空間に到着]
▼
|