2003.10.30 栃木県 残響ささやきの冷気、太古の香り。

栃木県
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10月29日(水)快晴

ヒドゥンアートの聴覚バージョンの第二弾。今回も音作家として活躍中の山田ノブオ氏に同行していただく。氏の音論を聞きながら、ヒドゥンアートな「音」の世界を旅する。出発も前回と同じ東京・浅草である。

午後3時の待ち合わせだが、場所については「雷門あたり〜」という曖昧な情報しか知らせていなかった。私は、30分前に着いてしまったので雷門近くのスターバックスで待機していた。すると、山田 氏が目の前を通り過ぎた。こっちを見て会釈する。店に入り「どうも〜」という軽い挨拶。「多分、ここだろう」という勘で来てくれたという。

よしっ!

私は手応えを感じた。
というのは、今回も山田 氏にはほとんど情報を与えていないからだ。どこへ行くのか、何をするのか等、まったく教えていない。待ち合わせ場所も曖昧にしていたのだが、推論を働かせて、すんなり現れてくれた。最高の出だしといえるだろう。

今回のキーワードは「残響」である。
「明日の取材は”残響”でいきますので、よろしくお願いします。」
山田 氏は何の戸惑いもなく「OK」と答えた。
一応、資料などを見てもらったが、詳しいことは話さなかった。感動の切り売りはしたくなかったからだ。

3時40分、スターバックスを出て、雷門駐車場へ。途中、コンビニに寄る。
3時55分、車を出す。この取材の鉄則である”1人1台”は今回も守られた。これから1人孤独な運転が始まるのだ。環境のことを考えたら、1台の車にまとめて乗った方がいい。当然のことだ。しかし、この”1人1台”には意味がある。どうしても妥協できない理由があって実行しているのである。

雷門を背に出発、駒形橋を渡り、左折、そして吾妻橋を渡り、雷門の前の通りに入る。ちょっと無駄に走ってみた。国際通りを右折、そのまま直進、4号線(日光街道)に合流。あとは、道なりに走るだけ。
春日部市に入ったところで、iモードチェック。混んでいないことを確認し、左折、16号線に入る。さいたま市に入り、東北自動車道の岩槻インターから上がった。もう、真っ暗である。

5時45分、蓮田サービスエリアで休憩。
浅草を出発して、1時間45分ほど。山田 氏と雑談。もちろん、内容がほとんど無いライトな会話。これがいいのだ。

写真(浅草から東北自動車道)

[浅草から、さいたま市へ]

私だけ給油して、蓮田サービスエリアを出る。特に急がず、安全運転を装い、順調に走る。
鹿沼インターでおりる。通行料は、1人2,350円。ハイウェイカードで支払う。

鹿沼インターからホテルまで10km、約35分で着く予定だ。前回は、ホテルに着くまで右往左往してしまったので、同じ過ちを犯さぬよう入念に調べておいた。平成街道を直進、左手にブックオフ確認、左折して119号線に入る。左手に栃木県立美術館を確認して右折、競輪場通りを直進。見えた! 今日泊まる「ホテル東日本 宇都宮」。

7時25分、駐車場に車を停め、ホテルに入る。シティホテルにしては大きい。
私は知っていた、そこそこ豪華なホテルであることを。
前回はリーズナブルなビジネスホテルに泊まったので、山田 氏のイメージはその域を出ていなかったと思う。その証拠にジャージに裸足というスタイル。私もあわせるようにジャージである。ヒドゥンアートな旅に予定調和はナンセンス、視覚的なギャップは不可欠なのだ。

チェックイン。部屋へ。シングルとしては、かなり広い。
実は、インターネット予約による割引で、9,933円(税込み・朝食付き)なのだ。通常、このクラスだと16,000円くらい。今回はビジネスプランで予約したが、他にはさらにお得なプランもある。ネット割引は是非活用していただきたい。(ホテルの宣伝をしているわけではない。)ビジネスホテルなら5,000円で済むが、この豪華さで1万円というのは無視できない。”場違い”を演出できることに価値があるのだ。ちなみに最寄りの駅はJR宇都宮駅だが、わりと離れている。バスかタクシーを使うことになる。

7時45分、レストランで夕食。ホテル内で最もリーズナブルな感じのレストランに入ったのだが、やはり高かった。「シェフ自慢の創作ディナー」を注文。1人2,000円。私も山田 氏も食べきれず、残してしまう。このコース内容で2,000円とは安い! 高いけど、安い。いや、安い。”場”を標準化して感想を述べることにしよう。皿、フォーク、ナイフがぶつかり合う「カチャカチャ」という高い音が店内に響く。いつもなら居酒屋というパターン、この静かで厳かな食事はもはやギャグになっていた。

食後、エレベーターで10階に上がる。もうやけくそだ。英国風高級バーへ。ここで山田 氏にはMDを付けていただいた。つまり、フィールドワークを開始するのだ。ホステスの皆さんに案内され、席につく。遮音材で囲まれているような静かな空間である。落ち着いたBGMによって、無音の不安感は無い。グラスの中の氷が「カラン」という気持ちのいい音を出す。ジャージ姿の男2人がいることに滑稽さを感じるが、展開としては狙い通りだ。明日のコンセプト”残響”との対比になってくれる。
ここでの音素材はフルバージョンのページにて公開する。

11時30分、バーを出て客室階へ。

「それでは、朝9時にロビーで‥お願いします。」
「OK」と氏。

サラッとわかれる。

写真(ホテルにて)

[今回も手頃なビジネスホテルに泊まると思っていた山田 氏]

7時起床。今日も快晴。
新聞が届いていたのでチェックする。下野(しもつけ)新聞、初めて見る。トップニュースは「治安悪化、9割が実感」。治安が悪化していると感じている県民が86.5%に上るというのだ。その他は、衆院選の記事など。
1階におりて朝食。レストランに入る。スーツ姿の外人さんばかり。国際会議でもあるのだろうか。山田 氏を捜したがいなかった。普通なら待ち合わせをして、一緒に食事をするのだが、あえて別行動にする。これもヒドゥンアートなやり方なのだ。

写真(翌朝、ホテルで朝食)

[新聞を読み、英語の会話しか聞こえないレストランで1人朝食]

身長2m近い外人さんたちに囲まれ、圧迫感のあったエレベーターを無事脱出、部屋に戻る。
ビジネスホテルなら一番主張しているはずのアダルトチャンネルのパンフレットを発見。このホテルでは目立たないように置かれていた。1階ロビーに降りる。山田 氏が待っていた。フロントにキーを返し、9時、チェックアウト。駐車場へ向かう。
いよいよ取材本番、”残響”の舞台へ。

写真(ホテルをチェックアウト)

[いよいよ出発]


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